超特急で短歌

1

ほんとの僕はどれでしょう?自意識を時価で売るからまた遊んでよ
 
反射する光の色を飲みこんで作った黒を空気に溶かす
 
レポートとおもたい手足とける脳 4時間前とおんなじ俺か
 
さみしいと声に出したら笑えてさ思ったよりも棒読みだった
 
 
2
触れてみる?もう戻れない逃がさない わくわくするね、君もそうでしょ?
 
 
3
地に足をつけ歩むため課せられた重みがいつしか心地よいとは
 
 
4
その視線あがる熱ごと受けて立つ見せてやるからずっと見ててよ
 
平気だよ前は見えてる迷わない 自分の好きなシャツを着てるし
 
 
5
あざやかに燃える火の色僕の色 見つけたきみの世が明ける色
 
万物はぼくのせいだよいたずらに ひとみの奥に広がる宇宙
 
愛されたことしかないし怖くない 汚れた手では傷つかないよ
 
ひたむきに傲慢であれ価値を見よ 振り切って跳ぶ立ち位置は「0」
 
 
6
そうだった目じりに残るアイライン ぜんぶ脱いでも自覚する今
 
へとへとだ送信押してもうおわり 海に残すは今日見せた僕
 
 
7
ペルセウス流れる星をつかまえて打ち上げ花火の音だけ聞いた
 
目に映るすべてを救いあげるとか幼さじゃないし夢でもない
 
5分間誰かになって目をとじて ふれたことない愛をなぞって
 
 
8
陽炎とコンクリートの照り返し 君の住む街、東京を知る